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2009.10.31 せへ
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【せへ】 酒(黒糖焼酎)
 ”せへ”は米麹と酵母菌醗酵させた一次仕込みに、黒糖の溶解液を混ぜ合わせ二次仕込みを蒸留して作ります。
 その製造法は古く奄美大島民俗学のバイブルともいえる名越左源太の南島雑話にも詳しく記載されており、戦後も各シマジマで密造酒が作られ島民に愛飲されていたそうです(とっかオジが税務署が来たら酒瓶を隠したっち言っとった)。
 現在でも多くの蔵元が黒糖焼酎を製造していますが、写真の焼酎は兄ょのおススメ銘柄の4本です。

○ 「里の曙」(町田酒造:龍郷町)は焼酎のスタンダードをそれまでの30度の個性的な香りの焼酎からアルコール25度のまろやかな味に大変換させた革命的銘柄です。
○ 「れんと」(奄美大島開運酒造:宇検村)は後発ながら音響熟成(クラシック音楽で熟成)を売りに南部を中心に根強いファンを獲得しました。
 この二つのマイルド系銘柄は島の焼酎シェアの半数を占めいています。
○ 「ルリカケス」(高岡酒造:徳之島町・ラム酒・40度)はマイルド系が主流を占める焼酎業界において独自のアイデンティティを主張し続ける無頼派です。
 この焼酎の美味さに記憶を失いハメをはずした人は限りありません。
○ 「竜宮」(富田酒造:奄美市名瀬)は兄ょの一番のお気に入りで、まろやでありながら深いコクのある昔ながらの黒糖焼酎です。
 世間になびくことなく変わらない蔵元の姿勢には頭が下がります。


 今年も一番人気はウォッカ・・・といってもお酒じゃなく競馬・秋の天皇賞に出走するサラブレッドの話。
 ウォッカとは角井勝彦厩舎に所属する5歳牝馬で、これまで阪神JF・ダービー・安田記念(2回)・ヴィクトリアMC・天皇賞と日本競馬会の根幹レースを6勝もしている名馬。
 なかでも昨年の天皇賞はライバル・ダイワスカーレット(4歳・牝馬)との壮絶な叩き合いで鼻面を並べてのゴール板入線後、長ーい写真判定の末にハナ差(2Cm)で勝利するという天皇賞史上最高の名勝負を演じました。
 常識を覆す豪脚でウマ吉達に愛されてきたアイドルホースも今年ですでに5歳。
 人間で言えば30台半ばの熟女といったところで、おそらく年内で引退でしょう。
 競争成績のみならず繁殖牝馬としても将来を期待される日本競馬会の至宝ウォッカ。
 そんな名牝の走りをライブで見たい!

 っちゅーことで来ちゃいました東京・府中 ディープインパクトのダービー以来4年ぶり
 5歳という年齢、ふがいない内容で負けた前走、1番人気に鬼門の秋の天皇賞、長い競馬の経験知から危険な人気馬の予感のする今年の天皇賞ですが、それでも応援せずにはいられないのがウォッカの魅力
 疾風のごとくゴール前を駆け抜けるか、それともズブズブと馬群に飲み込まれるか・・・どの様な結果でも潔く受け入れるのがウマ吉の性分
 ウォッカからの応援馬券(単勝・1着固定の連単と3連単)を手に応援するどー
 馬券を的中させてウォッカで?・”せへ”で?杯じゃー


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《追記》
 返し馬(本場場入場)に姿を見せたウォッカは不思議なほど落ち着いていた。
 落ち着いているというよりはむしろ覇気が薄れ、競走馬の体から繁殖牝馬の体へ変化が始まっているようにさえ感じられた。
 おそらくジョッキーの武豊もウォッカの体調の変化を感じてか、ファンにウォッカの勇姿を目に焼き付けるかのように常歩(なみあし)でゆっくりとスタンド前を歩かせた。
 レースは1,000m通過1分弱というスローペースを中断後方で追走。
 折り合いに難のある(行きたがる)ウォッカをなだめるためとはいえ瞬発力勝負では絶望的な位置取り。
 直線に向いて先にスパートしたカンパニーとスクリーンヒーローを追いかけ、弾けるように馬群から抜け出してきた・・・と、思ったのも一瞬ですぐに足色が鈍り2番手に体を合わせるのが精一杯の大勢。
 3着でゴール板を通過したウォッカを見届けたけどなぜか悲壮感はなかった。
 出走前から状況が厳しいことはわかっていたし、だからこそ応援に来た。
 人間だって負けるとわかっていても戦わなければならない勝負があるし、潔い敗戦こそ見るものを引き付ける。
 くしくも勝利ジョッキーインタビューで横山典弘騎手が「競馬は点ではなく線でつながる。」とみたいなこと言っていたけど、いつも勝ち続けることなどできる訳もなく敗戦にこそ成功の糧があり、強者が衰えていく様も競馬のストーリー。 
 強さと脆さ(繊細さ)の同居したウォッカのレースは見るものを楽しませたけど、これから繁殖牝馬として輩出する競走馬を見るのが本当に楽しみだ。 


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 「あ~」とうなだれて座り込んだ兄ょだけどすぐに立ち上がった
 「カンパニー・スクリーンヒーロー・ウォッカ?・・・それ持ってるドー!
 唯一ボックス馬券(すべての組み合わせを購入)で購入した”2・3・7”がなんと的中
 ウマ吉達があこがれの”帯封付きレンガ”をゲット
 「信じるものは救われる。」そう実感した天皇賞だったどー。ウォッカ~ さんきゅ~
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2009.10.28 うきにし
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【うきにし】 北西の風(季節風)
 東シナ海に面して暮らす人たちは冬場に北向きの季節風にさらされるため北よりの風を細かく使い分け、その呼び名はクチマニシ(東北東)、マニシ(北東)、ナハニシ(北)、タニシ(北北西)、ウキニシ(北西)、ウキベニシ・ウキナハニシ(西北西)等、多数あります。

 唄や高々と 北風(にしかぜ)のごとに
 ハレ沖北風(うきにし)のごとに あらち給(たぼ)れ

 「さあ荒々しい北風の様に高々と唄おう!」と鼓舞する歌詞で、国直の八月踊りに好んで唄われます。
 時化をもたらす恨めしい季節風をポジティブに捉えて八月踊りに唄いこんだ先人達の感性こそ自然に対し前向きで謙虚に対峙する姿勢の表れです。



 以前、オヤジがかにまん丸の勇オジと無線でやり取りしていたときの話。
 「しゅーやだーかい?」(潮はどちらの方向に流れているの?)と聞く勇オジに
 「うぇーすーらのーうぇーすーど。」と答えるオヤジ?
 「はいはい、ありがとさーん。」とフツーに会話終了???
 方言混じりの早口でただでさえ聞き取りにくい漁業無線だけどこのときは全く意味不明。
 「なまぬっち言ちゃんわけ?」(今何と言ったの?)とオヤジに尋ねるとコンパスを指差されて納得した。
 ”うぇーすー”とはWEST(西)、”のーうぇーすー”とはNORTHWEST(北西)と話していたらしい。
 タマガリドー わきゃチャンや高校行いじゅらんむん英語話しゅたっとー!!!
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【がんのーし・がんたて】 願戻し・願立て(祭事)
 旧暦の九月九日に一年間の集落の豊穣息災を祈願して願を立て、翌年に願を戻す儀式です。
 以前は”おやのろ”(親ノロ)の他”うーわき”(上脇)、”しゃーわき”(下脇)、”ぐじゅぬしょ”(トネヤの当主)、”ちゃばん”(茶番)の五人で午前中に前年のがんのーしを行い、午後に今年のがんたてを行っていましたが、現在は親ノロが一人で午前中のうちにがんのーし・がんたてを連続して行います。
 ノロ神が「とうとがなし。 今日の良かる日に九月九日の願戻しおーせりゅん・・・・。」のような祝詞を唱え願に向かって両手を合わせて拝みます。
 がんのーしには各家々から持ち寄った米三升三合と、”しゅうぎ”(ふやかした米)、神酒、線香七本、野菜、魚、赤飯を供え、がんたては”しゅうぎ”の替わりにミキをコップ二杯供え、一つのミキは樽のミキに混ぜ集落各戸へ配られます。


 くがつくんちの豊年祭は運営の都合で日曜日に引き寄せて行いますが、がんのーし・がんたては旧暦に合わせて今日行われました。
 トネヤののりオジの家へ国直米姉の末裔といわれる親ノロのキヨノ姉をお供して、区長の貞兄、次期ノロのケイコ姉、青年代表の兄ょの5名でつつがなく実施。
 共同でのミキ作りがなくなるなど多くの祭事が簡略化されがちですが辛うじて残るがんのーし・がんたてです。
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【くがつくんち】 九月九日(豊年祭)
 五穀豊穣と無病息災を祈願して旧暦の九月九日に行われる集落の最大行事で、現在は多くの人が参加できる様に直近の日曜日に行われます。
 祭りは「イヤヨイヤー」「ヨイヤーヨイヤー」の掛け声で集落を練り歩く”テラシキ詣”から始まり、幼児、小中学生、青壮年団の力士による奉納相撲、他集落からの遠征相撲、親子・兄弟相撲などの対戦が組まれます。
 また、相撲の合間には唄者によるシマ唄や子ども会、婦人会、老人クラブによる各種芸能が披露され相撲以上に歓声(爆笑?)が湧き上がります(昨年の豊年祭の様子はこちら→相撲の取組 余興の様子)。
 くがつくんちの夜は土俵を囲んで八月踊りが行われます(今年は雨のため公民館内で実施)。
 八月唄は”ちぢん”(鼓)を打ち鳴らしながら男女交互に掛け合い唄います。
 その歌詞は集落ごとに異なりますが暮らしや自然、想いを綴った美しい歌詞でどれもがシマジマの宝です。


 今年は歌い手となる男の老人クラブが3名のみという八月踊り存続の危機に!
 他の集落では歌詞を書き写した”唄本”を元に唄の稽古をしている所もあるけど、国直では口承のみに伝承を頼っていたのでシマ口を理解できない若者達が唄えん状況に陥っとった。
 そこで一念発起した国直青壮年団、豊年祭を前に”地取り”(相撲の稽古)もソコソコに八月踊りの練習を開始!
 湯湾釜・津名久・大棚の唄本を手に老人クラブと唄い始めたところ・・・唄っている歌詞が聞き取れん
 のりオジに(隣の)湯湾釜の唄本を見せても「あいー、ワンながっしゅん唄や知らんどー。」と言われる始末
 「ひと山越えれば歌詞が替わる」という八月唄の多様性を痛感し、その日からのりオジに張り付いて歌詞の聞き取りを開始
 古語のシマ口は聞き取りにくかったけど、”ちゅんしま”(他集落)にはない国直独特の歌詞の意味が解ると鳥肌が立つくらい感動の連続だった
 本番は男の唄者がのりオジ一人という緊急事態だったけど、青壮年団が大声で”足慣れ”→”今の踊り”→”あらしゃげ”→”ましゅ加那”→”まっこのめらべ”を熱唄
 急造の八月踊りだったけど大盛り上がり、青壮年団も口々に「来年はもっと唄を覚えよーや」っち言っとった。 キバランバヤー!
2009.10.22 ひゅー
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【ひゅー】 シイラ(魚類名)
 スズキ目・シイラ科・シイラ(09.10.15 湾内 引き縄漁にて大工のスケ兄が捕獲 2.0kg)
 ”みーにし”(北西の季節風)が吹き、”ピッ、クイィーー”とサシバが舞う季節になると、湾内に”ひゅー”(シイラ)が入ってきます。
 ひゅー釣りはヒコーキ(波立板)の先に3~4本の擬餌針の付いた竿を左右に伸ばし3,4ノットで船を走らせる”ほろ引き”(引き縄漁・トローリング)で行われます(バカイカの切り身をエサにするとなお良し)。
 潮が合う時は金色に輝くひゅーが群れでヒコーキ(擬餌針?)目がけて飛び跳ねてきて、延々と左右の道具に食らいつく入れ食い状態になります。


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 みーにしが吹き始め湾内では早朝からひゅーを狙う漁師達が左右に竿を立て船を走らせています。
 浮き漁礁(パヤオ)の設置によりシビ・カツオ・シイラといった回遊魚が年間を通じて水揚げされるようになりましたが季節によりその美味しさは格段に異なります。
 夏場に浮き漁礁で釣られるひゅーが水っぽく淡白なのに比べ、冬場の湾内入ってくるひゅーはしまった身に脂がのって全くの別物。
 刺身、フライ、干物、味噌汁どれも美味いのですがこの時期は濃々とした味噌汁がお勧めで、”ふにかまち”(アラ)はもちろん肝や胃袋、卵といった”わた”(内臓)を一緒に煮ると他の魚にはない濃厚なスープになります(どちらかというと切り身よりわた系が主役)。
 内臓たっぷりの味噌汁や生乾きの干物のひゅーは冬の訪れを感じさせる旬の味です。
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【ばかいかさしみ】 トビイカの刺身(食材)
 ばかいか:ツツイカ目・アカイカ科・トビイカ
 アカショウビンが鳴き始める初夏からサシバが舞う秋口頃まで東シナ海(大和村沖)では”ばかいか”が水揚げされ、袋詰にされたイカが1,000円/1.5kg程度で浜売りされます。
 煮物、揚げ物、炒め物と万能食材(しかも長期冷凍保存が可能)の”ばかいか”ですが兄ょのお勧めは刺身生食です。
 そうめん状に細切りした身を塩で揉んだモッチリと柔らかい刺身も美味しいのですが、釣りたてを氷でシメて素早くさばいた刺身もコリコリと脳髄を刺激する食感があり絶品です(もちろん兄ょはコリコリ派)。
 オヤジと行ったばかいか漁で”いしょしゃ”(漁師)達の漁業無線をBGMにばかいか刺身とビールを飲んだのが懐かしいく思い出されます。


 今日はチビKのナイスアイデアでスケノリおじから貰った新鮮ばかいかを”チョジャン”(唐辛子韓国味噌)であえて”イカのフェ”(韓国風刺身)に
 フツーは酢醤油か酢味噌で食べるのだけど、この濃厚でさっぱり味の大阪鶴橋産チョジャンはシマの”いしょむん”(海産物)にビンゴ!
 味噌の旨みと唐辛子の辛さは島魚の王様”えらぶち刺身”にもあうハズ
 何より毒々しい朱色が食欲をそそるし ん~朝鮮民族恐るべしどー
2009.10.09 まじむん(2)
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【まじむん】 ハブ(動物名) (1)
 有鱗目・クサリヘビ科・マムシ亜科
 島人はハブを恐れるあまり「はぶ」と口にすることさえ忌み嫌い”まじむん”(正物)とか”ながむん”(長物)等の忌み詞を用います。


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 「だいばんハブじゃんかなん 加勢しんにー。」(大きなハブだから手伝ってくれ)、そう頼まれて外に出るとハブ屋のゴリ兄が全長180cmはありそうな立派な黒ハブと格闘中(しかも秋口のハブは恐ろしく元気)
 重すぎて持てんので二人で頭と尻尾を掴んで持ち上げると、ピチャっと顔に雨粒状の水滴が飛んできた
 「雨粒かい?」っち一瞬思いかけたけど、すぐそれがハブ毒だと気づいて冷や汗がタラーリ
 咬まれると0.1mgで死に至るというハブの猛毒 左眼に被弾したのは間違いなく、放っておくと失明の危険さえあるので急いで近くの診療所へ
 「気分はいかがですか?」と先生に聞かれるとなぜか気弱になり、動悸や目眩がしてきて昨日のジョギングの筋肉痛までハブ毒の作用に思える始末で気分はすでに重症患者。
 視力喪失、顔面麻痺、半身不随、生殖機能減退(?)・・悲観的にことばかり頭に浮かんで悲壮感いっぱいだったけど、先生は「2,30分も洗眼すれば大丈夫だと思いますよ。」とアバウトなコメントを残し処置終了。
 あまりにも不安だったのでハブ毒に詳しい東京大学医科学研究所(瀬戸内町手安)へ電話して尋ねてみると、「幸運でしたね。 最悪の場合は激しく痛んで、結膜がめくれて顔が腫れ上がります。 1時間経過して腫れや痛みがないのなら大丈夫ですよ。 すぐに洗浄したのがよかったのでしょう。」との心強い返事。
 失明することも大事な生殖機能が減退することもないとのことでひと安心


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 今晩ののつまみは”ハブのスパイシーフライ茂ちゃん風
 カットしたハブ肉に香辛料をまぶしてカラッと揚げた茂兄の絶品料理
 ハフハフ言いながらかぶりついて完食。 報復完了です
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【なつんくちぬ みっかつづきば てーふ】 夏に東風が三日続けば台風が来る(島の諺)
 低く垂れ込めた雲を押し流す”くち”(東風)が2,3日続き、さらには突風や断続的な雨が降り始めると”てーふ”(台風)が近づいている予兆だと教えてくれる島の諺です。
 シマには風に関する言い伝えが多く残っていますが、なぜか東風に関する諺はマイナスイメージなものばかりで、”くちぬ ながぶきや むんやぶる”(東風が長く吹くと被害を被る)とか、”くちふきゅんときや うなぐぬくゎ たびいじゃすな”(東風が吹くときは娘に旅をさせるな)、さらには”くちぬふきば ちゅんつぶるがで かまちぬやむん”(東風が吹くとされこうべまで頭が痛む)といった不吉なものまであります。
 いずれも、天気予報など無い時代の”おやふじ”(祖先)達が雲の流れや天候をつぶさに観察するなかで、自然に対する畏敬の念から生まれた俚諺でしょう。


”じゅうがつぬてーふや やーくら とーしゅん”(10月の台風は家倉倒す)と恐れられる晩秋の大型台風が南方海上を北上し南西諸島を窺っています。
 次々と荒波の押し寄せる太平洋側とは対照的に、背後を山に囲まれた国直の海は不気味なほど静寂に包まれています。
 猛烈な台風18号はどうやら接近しそうなので早めに船や家の周りを養生せんば・・・とーとがなしどー。
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